NYマーケットは、原油などの商品価格の上昇を材料に金利が上昇し、株価の重しになったほか、決算も悪材料が多く、三指数はそろって下落しました。午後にモラー特別検察官によるロシア疑惑の捜査では、トランプ大統領はターゲットではないとの報道で下げ幅を縮小する場面もありました。
株価の終値は、ダウは続落し83ドル安の24,664ドル。ナスダックは四日ぶりで反落し57ポイン下落の7,238。S&P500も四日ぶりに反落し15ポイントのマイナスで2,693でした。セクター別騰落率では、金融とエネルギーだけが上昇し、一方、たばこ関連は連日の大幅安で生活必需品が上げたほか、中国が国産の半導体生産を拡大するとの報道で半導体も大幅安となり、情報技術の下げを主導しました。
1 世界の株価
・NYダウ:24,664.89 -83.186 (▼0.34%)
・ナスダック:7,238.05 -57.18(▼0.78%)
・S&P500 : 2,693.13 -15.51(▼0.57%)
・イギリスFTSE:7,328.92 +11.58(▲0.16%)
・ドイツDAX:12,567.42 -23.41(▼0.19%)
2 為替、金利、商品
・ドル/円:107.35-36
・ユーロ/円:132.49-54
・ユーロ/ドル:1.2343-45
・米国10年国債:2.913(+0.046)
・米国2年国債:2.431(+0.005)
・独10年債:0.599(+0.068)
・日本10年債:0.040(0.005)
・NY原油:68.29(-0.18)
・NY金:1,348.8(-4.7)
・CRB指数:201.85(-1.11)
3 日経平均きょうの見通し
《株式先物》
・シカゴ/日経先物 : 22,140円
・大阪/日経先物:22,120円
《AIの予想》
前日の日経平均終値は、22,191.18円(+32.98)でした。「先読みAI」のQuickによる予想では、寄り付きは☁(曇り)で、ただ降水確率は75%と高いです。横ばい圏で始まりそうです。日中の予想レンジは、22,027円から22,227円とのこと。
主要な内外指標のうち、4/19のニューヨーク市場では、ナスダック総合指数は下落して日経平均にネガティブ、一方、円安ドル高が進行してポジティブに働きそうです。このところ日経平均との相関関係が高まているシカゴ日経平均先物(円建て)は小幅下落で日経平均の予想にネガティブに働きそうです。
4 注目ポイント
◆きょうのドル/円の見通しについて、三井住友信託銀行NYの矢萩氏によれば、予 想レンジは107.00円~108.10円としています。注目ポイントとしては「5月の米国株式市場」ということで、ドルの下落はやや抑制気味になってきており、長短金利差の縮小し、三か月物LIBOR(短期金利)が7年ぶりの高水準にあることから、米国株は5月以降は注意が必要とのことでした。
◆また、きょうの日本株の見通しについて、大和証券の壁谷氏によると、予想レンジは、22,000円~22,300円とし、注目ポイントは「米国決算のサプライズの度合い」ということで、S6P500社の増益率の事前予想からの上振れ度合いが低下しています。予想が18%であるので、20%を大きく超える上振れ度合いでないと、株価に反映はしないとみていました。
5 5月は売りか?
◆昨年からの適温相場が続くとの予想が大勢を占めていた1月から、2月には米国長期金利とVIX(恐怖指数)の急騰が引き金となり、世界中で株式市場が急落して、年初からの楽観ムードが一気に変わってしまいました。
通貨市場でも米国の金利上昇にもかかわらず世界的なドル離れが進み、ドルは幅広い通貨で売られ、円高も進みました。また、商品市場でも原油は堅調だったものの、金属系は昨年来の高値から軒並み調整されている状況となりました。
◆それは年明けからの米国による一連の保護主義貿易政策の発動に加え、減税や歳出拡大など米国の財政問題、さらには政権幹部の交代等、トランプ政権は強硬策を次から次へと行っています。
また、外交・安全保障面では、北朝鮮問題が劇的な進展をみせるが、依然と地政学的リスク要因は内在しており、これら政治リスクへの意識が急速に高まってきています。
◆5月の株式相場はどうなるのであろうか。「Sell in May and go away(5月に売り逃げろ)」という格言があります。昨年はそのジンクスは外れましたが、今年は意識する投資家は多いといわれています。連休前にポジションは軽くしておくことが賢明でしょうか。
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