2019年SFC修行におけるリスク管理の予備知識

  • URLをコピーしました!
目次

Ⅰ SFC修行における自然災害に対する心構え

近年、地震の発生や台風の上陸など、世界的にも大規模な自然災害が頻発しています。南北に長い島国である我が国においては、これらの自然災害の影響を受けやすい特性を有しており、道路や鉄道などの交通基盤施設が被災して長期にわたり社会生活に甚大な影響があることも少なくはなく、空港についてみると、昭和39年の新潟地震時の新潟空港での大規模な液状化の発生、その後平成23年3月11日の東日本大震災の地震による津波に飲み込まれた仙台空港等の数例を除けば、これまで自然災害の影響により、機能停止を余儀なくされたことは極めて少ない状況となっています。

出発ロビー

1 これまでの空港施設の災害対策

空港施設の災害対策については、これまで「地震に強い空港のあり方」(平成 19 年) 及び「空港の津波対策の方針」(平成 23 年)に基づき、各空港における地震、津波対策を進めてきたところであり、さらに、東日本大震災の教訓及びその後の中央防災会議等における検討結果を踏まえ, 「南海トラフ地震等広域的災害を想定した空港施設の災害対策のあり方とりまとめ」(平成 27 年)において、広域的で大規模な災害の発生を想定した空港施設の災害対策が取りまとめられました。

また、これらを踏まえ、平成27年10月国土交通省航空局に「空港における地震・津波に対応する避難計画・早期復旧計画検討委員会」を設置し、災害発生時に人命の安全確保を図る避難計画や空港施設を早期に復旧するための早期復旧計画を策定する上で参考となるひな型が策定され,こうした対策が講じられていることで、長期にわたる機能停止がないことに影響していると考えられます。

2 自然災害を踏まえたSFC修行の心構え

しかしながら、ここ数日間において、台風被害のあった関西国際空港に続き、新千歳空港も地震で一時閉鎖に追い込まれ、正常化するには時間を要する状況となっている。近年の異常気象により予想外の自然災害が生じることが少なくない状況であることから、空港の一時的な閉鎖や運航便の欠航などで、SFC修行を行うのに支障が生じることになります。

特に、今回の海上 空港である関西空港の浸水被害は、記録的な高潮によって、滑走路が冠水して 航空機が発着できなくなったことに加えて、空港のある人工島と対岸を結ぶ 唯一の道である連絡橋に、強風で流されたタンカーが衝突し、利用客など多数が孤立しました。国内では、関西空港のほかに、中部、 神戸、北九州、長崎の各空港が、海上空港としてあります。これだけ予想できない 気象災害が、世界的に起きているのですから、関空だけでなく、すべての海上空港でその恐れがあると考えられます。

2018年9月 台風21号

このように、様々な対策が講じられていても自然災害等によって、航空機の欠航や遅延が発生するのは、自然災害等が多い日本では避けることができないものと考えられますし、SFC修行を行うに当たってどのような対策が必要なのか?「災害は忘れたころにやってくる。しかし必ずやって来る。」との教訓がありますが、自然災害等による欠航や遅延はもとより、一時的な空港の閉鎖も一年間というスパンで考えると、どこかで必ずあると考えざるを得ません。そう考えると、SFC修行は12月までに終わらせなければならないとすれば、出来るだけ短期で終わらせる計画を立てることが重要であると考えます。

特に国内旅行では、長距離のプレミアムクラスでの旅程がプレミアムポイントを稼ぐうえで、重宝されていますが、すでに「運航ダイヤ期間ごとの一斉発売(8月下旬、1月下旬)」の2018年10月28日搭乗分(8/26からの先行販売も含め)からは予約が行われており、2018年10月28日~2019年3月30日までの「SUPER VALUE PREMIUM28(旧プレミアム旅割28)」は、いい日は殆ど満席のようなので、格安のプレミアムクラスの確保が以前に増して難しくなってきたように感じます。

例えば、2019年SFC修行の解脱を年後半に予定していた場合、仮に達成するための最後の便をプレミアムクラスで確保していたが、自然災害等により欠航した場合、残された期間(12/31まで)も短いことからそのリカバリーにプレミアムクラスを確保することは現実的には相当難しいことが想定されますので、2019年にSFC修行でプレミアムクラスを利用することを考えている方は、来年の1月下旬の「運航ダイヤ期間ごとの一斉発売」までに計画をしっかり立てて、早期に確保することをお勧めします。(リカバリーできる期間を確保することが大事です。)

Ⅱ 航空機の欠航や遅延への対応

航空機が、悪天候や災害などで欠航や遅延した場合、SFC修行のスケジュールに影響を受けるだけでなく、代替便や他の交通機関、場合によっては延泊するためのホテルの手配なども必要になります。航空機が欠航や遅延するのは、
・台風や大雪、霧、強風などの悪天候
・地震・津波などの大規模災害
・機材繰り
・機材整備
特に、夏から秋にかけては台風の上陸、冬は北海道・東北などでは大雪での欠航が増えますので、出発地および到着地の天気予報は事前に必ずチェックしましょう。航空会社のホームページにある「運航の見通し」に、「悪天候に伴う遅延、欠航、条件付運航の可能性がある空港」が掲載されていますので、参考にしてください。

1 機材繰りによる欠航

機材繰りとは、航空機は通常1日で同じ機材で何便も使用しているため、前の便で運航スケジュールに影響を受けると、後ろの便にも遅れや欠航などが生じてきます。機材整備は、航空機に不具合が生じた際に整備が必要な場合で、代替機がないと欠航になることもあります。そして、機材繰りで座席が変更されることもあります。例えば、プレミアクラスを普通席に変えられたら、大変ですよね。

また、今年あったANAの欠航問題は、米国ボーイングの中型ジェット旅客機旅客機「787」に搭載するロールスロイス製エンジン「トレント1000」の回転翼などの部品の耐久性が問題となり、ANAは機材繰りが回らなくなり欠航が長引くという問題が発生しました。
「ANAのシドニー線ボーイング787-9に搭乗しましたが、」にも投稿しましたが、国際線は早めに対応があったようで、機材繰りもなく無事に行くことができましたが、国内線はまだ解消していないことを考えると、こうした問題も自然災害による欠航よりも長引くことになるので、注意しなければなりません。

あわせて読みたい
ANAのシドニー線ボーイング787-9に搭乗しましたが、 1 長引くANA運航便の欠航について ANAは、安全を最優先としてボーイング787型機のエンジンの点検整備を進めてきたが、未だこの問題の解消には至らず、8月以降も一部の国...

いずれにしても、便の変更は混雑する空港よりネット上や電話で手続きをすることが賢明です。急な欠航や大幅遅延は、空港に着いて知る人も多いので、当然、空港のチェックインカウンターは大混雑です。もし空港に着く前に知ることができれば、インターネット又は電話で便の振替などは可能ですので、素早い対応がポイントになります。欠航などが決まれば、空港でなくてもインターネットや電話で10日以内に手続きをすれば払い戻しを受けることができます。

2 空席待ちは上級会員が有利

「空席待ち」は上級会員が有利ですが、早く空港へ行くのも大事です。台風や大雪といった悪天候だと、事前に影響を受けることがある程度見込まれているため、運航が既に決まっている早い便への「空席待ち」に多くの客が殺到することがあります。
空席待ちは、航空会社の上級会員(ANAの場合:ダイヤモンド、プラチナ、ブロンズ、SFC)や航空券の運賃によって「種別S」「種別A」「種別B」「種別C」と振り分けられます。
ANAでは、空席が発生すると、S→A→B→Cの順に空席待ちカウンターで呼ばれます。Sはダイヤモンドサービスメンバー、Aはプラチナ・ブロンズ、スーパーフライヤーズカード会員、スターアライアンスゴールド・シルバーメンバー、Bは一般、Cはそれ以外(シニア空割、スカイメイト割)です。たとえ一番早く空港に着いて手続きをしても、あとから上級会員が入ってくると順番で抜かされますが、同じ種別だと、先に手続きした人から順に呼ばれますので、いずれにしても早めに空港に行くことは大事です。

上級会員

航空機の発着に問題がなくても、空港までの交通手段が止まっている、もしくは鉄道などのダイヤが大きく乱れていることもあります。先に大きな地震が起きた際、空港は早々に便の運航を再開したのに、交通機関がほぼ終日運休して空港にたどり着けない人が続出したということがありました。タクシーを待つにも長蛇の列になり、道路も渋滞します。

空港までの交通機関の運航状況は、必ずチェックしましょう。そして、空港への移動はとにかく早めに。地震だと大きな余震が起きることもあり、さらに影響を受けることも懸念されます。悪天候や災害などが起きた場所でなくても、欠航や大幅遅延する場合もあります。使用機材がその方面から向かってくる際に遅れまたは欠航する“機材繰り”が原因です。

Ⅲ 航空機が欠航した場合の航空券や旅行ツアーへの対応

航空機の欠航は、台風や大雪など悪天候の予測がつく場合は前日に決定する場合もありますが、出発直前に決定されることの方が多いのではないでしょうか。航空会社もできることなら航空機を飛ばしたいので、天候の状況は刻一刻変化するため、安全に運航できるかどうかをギリギリまで判断を保留します

1 機材繰りによる欠航

注意したいのが「機材繰り」による欠航です。台風が上陸するが、自分の旅行先とは離れてるので関係ないと思っていても、自分の予定便が出発空港に到着できずに欠航することもあります。天変地異の場合、旅行会社や航空会社に責任はありません。そのため、悪天候による日程変更や欠航で生じた費用は旅行者本人の負担となります。
例えば、航空機の欠航や遅延で生じる費用例としては、『帰りの航空機が欠航で翌日以降になった場合の宿泊費』『朝出発予定の航空機が遅れて夜出発に。その間の食事代』『空港まで行ったが欠航となった際の交通費』などが考えられます。

2 国内パックツアーの自然災害による欠航

国内パックツアーの往路便が、台風や大雪などの悪天候で欠航になった場合は、原則としてツアー中止となり、支払ったパックツアーの代金は全額返金となります。申し込みの旅行会社に連絡した上で返金の手続きを行うことになります。

予定便の欠航が決まってない場合は空港へ行くのがセオリーです。悪天候による場合、原則往路の航空機が飛べばそのツアーは催行されます。台風が近づいてるから、旅行に行っても天気が悪いからといった理由で、自分の意志で旅行をキャンセルする場合は通常のキャンセル料が発生するので注意が必要です。

自宅を出発する時点で、搭乗予定の航空機が欠航するかどうかが決定してない場合は、とりあえず空港に向かうことになります。自分の判断で空港に向かわず、搭乗予定の航空機が飛ぶと基本的にツアー催行となりキャンセル料を請求されます。また、空港に向かったが予定便が欠航になり、ツアーが中止となっても、空港までの移動にかかった費用は実費となります。

3 空席待ち整理券の確保

予定の航空機の欠航が決まれば、いち早く振り替え便の確保が必要になります。当日少しでも早く帰りたいなら空港に向かうことが先決です。なぜなら『空席待ち整理券』 を入手する必要があるからです。この『空席待ち整理券』には番号がふられます。この順番が天候が回復し運航が再開する時に航空機に乗れる順番なのです。
この空席待ち整理券は、原則空港のカウンターに行かないと発行してもらえません。航空券がある場合は航空券も必要です。

予定便が欠航する場合は殆ど前後の便も欠航になりますので、1日中欠航することだってあります。翌日から運航が再開したとしても、当然元々予定していたその日の予約が優先です。その日が連休などの混雑日で空席待ちの人が大量にいると、帰る日が翌々日になることも。そのため、なるべく早く空席待ち整理券を手に入れる必要があります。機材の都合がつけば臨時便もあります。

『空席待ち整理券』を手にした後は、自分の番号が呼ばれるまでただただ空港で待つだけ。呼ばれた時にその場にいないと順番は飛ばされます。そのため、運航再開後少しでも早く航空機に乗りたいなら、混雑した空港で待ち続けるしかありません。

帰る予定の日に航空機に乗れなければ、その日に泊まるホテルの確保が必要です。この場合宿泊代は自費となります。悪天候が理由なので、旅行会社や航空会社に責任はなく補償もありません。パックツアーの場合ホテルの手配は、ほとんどの場合、申込みの旅行会社が手配してくれます。

『空席待ち整理券』欠航が決まった時点で発行されます。しかも『空席待ち整理券』は空港に行かないと発行してもらえません。例えば朝一番にその日の全便の欠航が確定すると、運航再開後に航空機に乗れる順番は、朝の便、夕方の便関係なく、空席待ち整理券の順番になります。少しでも早く帰りたいなら、前もって空港へ向かう事を検討してください。

■ ANAの空港での空席待ちについてはこちら

4 国内線の欠航情報の入手は

国内線の欠航情報は、テレビやラジオ、各種ニュースサイトなどでも発信されます。もちろん航空会社のフリーダイヤルでも確認できますが、悪天候当日は多くの人が電話するため繋がりにくくなります。一番確実な方法は、各航空会社のウェブサイトの「運航情報ページ」です。最近ではtwitterで運航情報を配信したり、登録したケータイに予定便の運航情報を配信するサービスもあるので、事前にチェックしておきましょう。

ANA(全日空)ANAインターネット国内線運航状況のご案内サービス

@ANA_flight_info(ANAの公式twitter-運航の見通し)

5 自然災害時の対応のポイント

◆ 原則は旅行会社や空港係員の指示に従うこと
◆ 予定の航空機が欠航の場合はいち早く空港へ行くこと
◆ ネットの情報で素早い対応を心がけること
◆ 上級会員は「空席待ちの優先」があること

 

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

目次