政府専用機の沿革とその役割
日本の政府専用機は、日本国政府の高官や皇室の公式な移動手段として使用されます。
その沿革は、国際社会における我が国の果たすべき役割に鑑み、国際化の一層の発展に寄与するため、各国の例にならい、主として内閣総理大臣等の輸送のため、昭和62年、政府専用機2機の導入を決め「ボーイング747-400」を導入することになりました。
平成3年2月、総理府(現内閣府)に準備室が設けられ、同年9月に1号機を、11月に2号機をボーイング社から受領しました。
平成4年4月、防衛庁(現防衛省)に政府専用機が所属替えされたことに伴い、航空自衛隊は、千歳基地に臨時特別航空輸送隊を編成し、約1年間の運用試験等を経て基本的な運用態勢の整備を完了するとともに平成5年6月、特別航空輸送隊を編成し、平成30年末までに100カ国に対して内閣総理大臣等の輸送を実施しました。
政府専用機は航空自衛隊(Japan Air Self-Defense Force, JASDF)によって運用されており、航空自衛隊は、日本の防衛を担うために設立された組織であり、航空機の運用と防空任務を担当しており、政府専用機の運用は、千歳基地にある航空自衛隊の特別輸送飛行隊が担当しています。この飛行隊は、政府専用機の他にも政府要人や要員の輸送、緊急医療搬送などの任務を遂行しています。
また、政府専用機の運用においては、航空自衛隊の関連施設や関係部署との緊密な連携が行われます。安全性や運用計画の立案、整備、機体の運航、要人の警護など、政府専用機の運用には高度な専門知識と厳重なセキュリティが求められます。
平成26年8月、「ボーイング747-400」の後継機として、「ボーイング777-300ER」の導入が決定され、平成30年8月に1号機を、12月に2号機を受領しました。そして、約半年間の運用試験等を経て平成31年4月から「ボーイング777-300ER」による運用が開始されました。
総理等の要人の外国訪問や国際会議出席などのために2機の政府専用機を保有していますが、現在運用されている2代目となる機種は「ボーイング777-300ER」は、初代のボーイング747と比べて燃費が向上し、最大航続距離が長くなるなど、より環境に配慮した機体となっています。
実際に運航を担当している航空自衛隊千歳基地に所在する特別航空輸送隊は、パイロットをはじめ、総理などの搭乗者への機内サービスを担当する客室乗務員も含め、スタッフはすべて航空自衛官が務めています。
また、運航する際には、2機の政府専用機が共に飛び、整備担当の航空自衛官も同行するなど万全の態勢を敷いています。
特別仕様の機内には、総理が乗り込むスペースに加え、事務作業室、会議室などのほか、同行する記者等のための座席も用意されています。
◇特別航空輸送隊 パンフレット2023【JASDF】
https://www.mod.go.jp/asdf/chitose/second/images/tokuyupanhu/2023-b777-a4.pdf
🔳 関連リンク
防衛省 [JASDF] 航空自衛隊 (mod.go.jp)
特別航空輸送隊|SPECIAL AIRLIFT GROUP (mod.go.jp)
政府専用機の動画【千歳基地】
こちらの動画は、私のYouTubeチャンネル「Meiken空の散歩道」の再生リストとして政府専用機を特集したもので、動画が6本連続して視聴できます。その内容は下記の「投稿動画リンクリスト」の順となっています。
◇投稿動画リンクリスト
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